- ▶ 2018年06月29日 [奇蹟の記憶]
奇跡の記憶
奇蹟の記憶 The Miracle of Humanity’s World
- ▶ 2016年08月06日 [織姫祭 2016]
織姫祭2016 紫野今宮神社
織姫祭 第一部 Tanabata Festival Part 1
織姫祭 第一部 Tanabata Festival Part 2
- ▶ 2016年06月04日 [音禅法要 ON ZEN 2016]
音禅法要2016 大徳寺法堂
音禅法要 第2部 Buddhist Zen Ceremony by Music Part1
音禅法要 第2部 Buddhist Zen Ceremony by Music Part2
- ▶ 2016年05月10日 [第2回 京都大学未来創成学国際研究ユニットセミナー]
アーティスト ツトム・ヤマシタ氏
「懐かしき未来-石・人・音・空に住む」
- ▶ 2015年04月15日 [第5回St.CORE研究会 講演動画記録]
詩人、現代詩・短歌・俳句並作 高橋 睦郎 先生
「乱世と想像力」
- ▶ [第5回St.CORE研究会 講演動画記録]
文人 竹本 忠雄 先生
「玅(みょう)」-顕われることの不思議ー
- ▶ 2013年11月02日 [第2回St.CORE研究会 講演録discussion paper]
臨済宗 恵林寺住職 古川 周賢 老師
『禅の美学』〜「琴馴らし」としての芸術に向けた美学のために〜
『禅の美学』
〜「琴馴らし」としての芸術に向けた美学のために〜
【序】岡倉天心と「龍門の琴」
古川 周賢
今日は「禅の美学」ということでお話をさせていただきます。 「禅の美学」というとき、まず初めにみなさんにお話したいことは、天心 岡 倉覚三(1863-1913)が『茶の本』(1906年)の中で紹介している一つのエピ ソードです。
『琴馴らし(Taming of the Harp)』という名で知られているこのエピソード は、文明開化の激動期に生き、芸術と美の世界において、その巨大な波と、日 本文化の根底を揺さぶる変革を、最先端に立つ当事者として経験し、そして師 のアーネスト・フェノロサらとともに、日本の、さらには東洋の美の素晴らし さを海外に伝える先駆的で偉大な仕事を果たした覚三の芸術観を、最も良くあ らわしているように思われます。 そしてそれは同時に、覚三によって見通された芸術の未来…日本の、東洋の 芸術が向かうべき未来の方向性をも、はっきりとあらわしています。
「皆さんは「琴馴らし」という道教徒の物語を聞いたことがありますか。 太古の時代、龍門の峡谷に、これぞ真の森の王者ともいうべき一本の桐の 樹が立っていた。その梢は高く聳えて星と語り、その根は深く大地に張っ て、青銅色のとぐろを巻き、地下に眠る銀竜のとぐろとからまり合ってい た。ところが、或る偉い仙人がやってきて、この樹から不思議な琴をこし らえた。だが、その琴の頑固な霊を手なずけるには、最も偉大な楽人をま つよりほかはなかった。長い間その楽器は中国の皇帝に秘蔵されていたが、 その弦から美しい音を鳴らそうと人々が代わる代わる試みた努力も、すべ て無駄であった。人々の精一杯の努力に応えて琴から出てくるのは、彼ら がよろこんで歌おうとする歌にはそぐわない、尊大な、耳障りな音ばかり であった。琴は、どんな音楽の名手をも黙殺した。
最後に、伯牙という琴の名手が現われた。伯牙は悍馬をなだめようとす るように、やさしく琴を愛撫してから、そっと弦に触れた。四季の自然を 歌い、高山と流水を歌えば、その古木の追憶がことごとく目を覚ました… (中略)…再び調べが変わった。伯牙は、戦いを歌った。剣戟の響き、馬 蹄の轟き。すると、琴に竜門の嵐が起こり、竜は稲妻にまたがり、雪崩は 轟々と音をたてて山々を揺るがした。
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